大学に行くのが辛い。授業についていけない。周囲とうまく馴染めない。将来のことを考えると不安になる。
そんな悩みを抱えながらも、「大学に入った以上、卒業するまで頑張らなければならない」と思っている人は少なくないのではないでしょうか。
休むことに罪悪感を覚えたり、周囲と同じように通えない自分を責めたりして、限界まで頑張り続けてしまうこともあると思います。
しかし、大学が辛いときの選択肢は、通い続けるか退学するかの二つだけではありません。
その間には、いったん大学から距離を置く「休学」という選択肢もあります。
私自身、大学生活やその先の進路に強い苦痛を感じ、1年間休学を経験しました。今回は、私がなぜ休学するに至ったのか、休学して何を考えるようになったのか、そして大学が辛い人に休学という選択肢を知っておいてほしい理由について書いていきます。
大学というか人生そのものが辛かった
当時の私は持病もあったので大学の講義を休みがちで単位はボロボロ、友達もいなくて孤独な日々を送っていました。ちょうど高校の同窓会で周りの人たちの順調な人生を目の当たりにして辛くなっていた頃、2年生の後期のテスト期間に限界が訪れました。大学の勉強も興味のある分野でなく、テスト勉強をしようと教材を開くだけで息苦しくなってしまい、現実逃避して1日中眠っていました。その罪悪感でさらに苦しくなり、日に日に状態は酷くなって行きパニック発作を起こすようになりました。
この人生をこのまま続けるのは無理があるけど人生を辞めるのはなんだか大げさな気がして、周りが見えず何が正しいのか全く分からない状態で「人生を休憩する」という決断に至りました。

休学が決まった瞬間、空が青く見えた
休学届を提出した帰り道、心が分かりやすく軽くなったのをよく覚えています。心地よい気温の中、社会から離脱した私を嘲笑うように咲いていた桜をパシャリと残して、常識とは一味違う春の風を感じていました。
休学してすぐ低気圧の影響をあまり受けなくなるなど、体調面でも変化が見られました。
今振り返ると、それほどまでに私は大学生活に追い詰められていたのだと思います。

でもやっぱり休学当初は社会のレールから外れるのが怖かった
休学を決めたことで楽になった一方、とにかく先が見えないことが怖かったです。1年後の自分が全く想像できない中で、毎日少しずつ残りの休学期間が減っていくことにもかなりの焦りを覚えていました。「この状態がずっと続くのなら人生が終わってしまう」「どうして私は周りと同じように生きられないんだろう」と夜に苦しくなって泣き出すことも多々ありました。また、この1年で何か1つでも収穫を得ないと時間を無駄にすることになるだなんて思ってたりもしました。
しかし、今では焦っていた時間が1番もったいなかったなと感じます。ではあの1年間をどう過ごすべきだったのかを次で説明します。

休学中は何もしなくていい
先程述べた通り、私はとにかく焦っていました。しかし、人間は生きている限り完全に何もしないことはできません。ご飯を食べる。寝る。散歩する。音楽を聴く。人と話す。1人で考える。そういうもの全部が後から振り返れば何かにつながっています。
1年間で、考え方も、興味を持つものも、聴く音楽も、見える景色も変わりました。特別なことを成し遂げたわけではありません。ただ生きて、考えて、遊んで、眠って、その日その日を過ごしていただけでした。それでも、一年という時間は人を少しずつ変えていくには十分な長さでした。
復学の日、希望に満ち溢れていた
私は休学したことを全く後悔していませんでした。むしろ、成長した自分が嬉しくて、ここまで来たんだと感動し泣きそうになっていました。新しい環境に適応していくことへの緊張感でさえ心地よく感じ、やる気に満ちていました。
復学届を提出した日の帰り道、去年と同じ場所にこれから社会復帰する私を祝うように咲いていた桜の写真を撮りました。春の風が強く私の背中を押しているようでした。

復学後の私の人生
今の私は山あり谷ありではありますが、以前のように崩れることなく過ごしています。「休学期間あれだけ休んだのだから頑張るぞ」という気持ちで生きています。
休学期間行った場所、聴いた音楽、見ていたアニメ、耳にした言葉、放った言葉、その全てが私の原動力になっています。ふとした瞬間思い出すと、自分がどん底からスタートラインまで戻ってこれたことを実感し胸がいっぱいになります。
休学によって失ったものももちろんあると思います。それでも私にとってあの1年間は失われた時間ではありませんでした。
人生を一度立ち止まったからこそ、もう一度、自分の足で歩き出すことができたのだと思っています。
辛いことを続けるより、逃げる方が勇気がいる
限界まで耐え続けることより、そこから離れることの方が勇気が必要な場合もあります。それまで歩いてきた道を一度離れるのは、これまでの努力を否定するような気がしてとても怖いことです。しかし、逃げることは何も考えずに投げ出すことではありません。自分を守るためにそれまで進んできた道から一度離れることもまた自分の人生と向き合うための選択なのだと思います。

退学は休学してからでもできる
大学が辛いなら、今すぐ退学届を書く必要はありません。退学は、休学してからでもできます。
まず一年、大学から離れてみる。何もしなくてもいいし、何かをしてもいい。その間に自分がどう変わるのかを見てみればいいのです。
そして一年後、それでも大学に戻りたくなければ、そのとき退学を考えればいいのです。
少なくとも私にとって、休学は人生を止めた一年ではありませんでした。人生をやり直すための一年でもありませんでした。ただ、一度立ち止まって自分を取り戻すための一年でした。そして私は、そこからもう一度自分の足で歩き始めることができました。
最後に
もし今、大学に行くことが辛くて、毎日を生きることさえ苦しくなっているのなら、「もっと頑張らなければ」と自分を追い込む前に、一度立ち止まることも考えてみてください。
周りより一年遅れてもいい。予定通りに人生が進まなくてもいい。
私は休学するまで「立ち止まること」は前に進めないことだと思っていました。
でも、立ち止まったからこそ見えたものがありました。諦めたからこそ手放せたものがあり、何もしなかったからこそ、自分が少しずつ変わっていることにも気づけました。
そして、逃げることは決して恥ずかしいことではありません。
逃げることは、負けることでも、弱いことでもありません。
自分が壊れてしまう前に、その場所から離れること。自分を守るために、一度立ち止まること。それもまた、自分の人生を大切にするための一つの選択なのだと思います。
人生は、ずっと走り続けなければならないものではありません。
疲れたときには、休んでもいい。
そして、もう一度歩き出したくなったときに歩き出せばいい。
私もそうやって、一度立ち止まった場所からもう一度歩き始めました。
